土曜日は、花見をするにはやや寒かった。
それでも、僕の母親はわざわざ東京へやってきて、
千鳥ヶ淵やら神田川やらと、名所を訪ねて1万歩。
僕が東京に来てからの恒例行事なのだけれど、
ここ数年、よく話題に出るのは教育のこと。
僕らが指導できるのは結局のところ
せいぜい週に1時間くらいのもので、
残りの167時間は塾生が一人で学ぶしかない。
そうした状況の中で、
まだひとり立ちしていない若者が
日常でもっとも近い存在である親に
どう接されるのかの影響は、実感以上に大きい。
でも現実にはたいていの親が「親初心者」で、
どう子どもと接すべきかに不安を抱いている。
そもそも100点の親なんて、いるわけがない。
「親だから」「先生だから」という理由で
すべてを分かってると思い込まない方がいい。
だから、そうした人たちと関係性を築いて
協力することが指導では致命的に重要だ。
ということを気づくのに5年くらいかかった。
もちろん頭では分かっていたんだけれどね。
子育てをひと通り終えた母親と飲み語りながら、
たしかに親の影響は大きかったんだ、
ということを、あらためて実感するわけです。
親の話なんていくつになっても
耳が痛くなる話が多いわけだけれど
子どもがいるわけでもない僕にとって、
子育て経験者の意見には耳を傾けざるをえない。
10代の頃は、親から何かを学ぶなんて、
まったく思いもしなかったよ。
まったく思いもしなかったよ。
◎家庭や学校という身近な存在以外にも
影響を受ける人や場があるといいね。
それを話した5限目はこれからのウェブ教育論です。