2012/05/09

食べるために起業する


「起業する」というと、まだ一般的には
大きなことがしたいとか、上場したいとか、
そういうことを思い浮かべるらしい。
実際、僕が大学にいた頃には
「起業」という言葉のまわりには、
そういう雰囲気の人が多かった気がするけれど、
最近はどうなっているんだろう?

僕が起業したのは、
もちろん「想い」はベースにあるけれど、
それまで目指していた職業(小説家)よりも
現実的に稼ぎやすい方法だったからというのが大きい。
大金を稼ごうと思っていたわけじゃない。
月に5万円あれば当時の僕は食べていけた。
それなら自分にはできると思ったから起業した。
その後、たくさんの塾生が入塾してくれて、
会社にはけっこうなお金が入ったこともあったけれど、
僕はすこしうまい酒を飲むようになったくらいで、
生活はほとんどなにも変わらなかった。
僕のスタート地点から今までずっと、
自分のやりたいことや想いを大切にしながら
食べていければ十分だということは変わっていない。

大きなことを目指す起業は
楽しいし、僕もそうできたらいいと思う。
でも、必ずしもそれを目指さない形で
自分の仕事を興すという考えはあっていい。
それは、個人として生きるということでもある。
個人として生きることを前提とした上で、
その後に多様な生き方を認められる社会のほうが
楽しいし、いきいきして、だからこそ創造性も発揮できる。

個人として生きることが当たり前ではない社会だから、
起業が異常に高いハードルだと思われているふしがある。
でも、実はそれはさほどリスキーなことじゃないと僕は思う。
起業に限った話ではないけれど、
「個人」として生きないでいるという選択を
無自覚に取りつづけること以上のリスクはないと思う。
そんな生き方は、臆病者の僕には怖くてできない。

個人として生きるリスクを引き受けるためには、
たとえば自分が引き受けられる最低限の生活水準を見極め、
その状態に体を慣らしておくことが欠かせない。
そういったことをよく検討して準備さえすれば、
個人として生きることは、たとえば起業するのは、
そんなに難しいことではないどころか
合理的な方法なのではないかなぁ、なんてことを考えてます。

◎昼間、そんなことを3人で2時間くらい話しあって
   だいぶ盛り上がったオフィスでした。
   用務員室は、絶賛盛り上がっております。