道伴舎の裏手にある「和敬塾」という
伝統ある学生寮で暮らしている二人。
「僕らの世代は熱くないんですよね」
みたいなことをいっていたので、
そんなことはないと思うんだけどなぁ
といったようなことを僕は話していた。
思うに、欲望の対象が複雑になっている。
単純な欲望がどんどん冷めていっている分、
その複雑な欲望を抱けるか抱けないかで、
熱くなれるかどうかが決まるんじゃないかな。
そして、そのためには学ぶことを通じて
世界の複雑さを自分の内に抱けないといけない。
欲望が複雑なものになっていることは
価値観が成熟してきたということであって
否定すべきものでは決してない。
否定すべきものでは決してない。
成熟した価値観を十分に引き受けられれば
過去の何時よりも強烈な欲望を持てる。
それも、洗練された欲望を。
それも、洗練された欲望を。
彼らを見ているとその方向性は見える。
自分が何かを所有することではなく、
自分が外にある何かに働きかけることに
喜びを見出しつつある彼ら。
すくなくとも僕が20かそこらの時には
そうしたことに自覚的ではなかった。
君たちの世代は君たち以上の世代よりも、
ずっと成熟して、熱くなれる可能性がある。
一瞬で燃えるものは、一瞬にして消える。
でも、燃えにくいものに火が着いた時には
それは長く、そして大きく燃え続けるのだと思う。
そんなものを、彼らの中に僕は見た。
◎今日は夏カゼ気味でした。
皆様もお気をつけください。特に冷房。