2012/12/10

人間万事塞翁が馬


週末、法事で実家に帰った。
子どもの頃には全然分からなかったけれど、
法事みたいなイベントって、
大切だから現代にも残ってるんだよね。
故人に皆で想いを馳せる時間を持つことで
そこの人たちの想いが深まる、というか。

とはいえ、それなりに面倒くさいですが、
祖父の三回忌と祖母の一周忌、
あわせてやったので、楽でありがたかった。

僕が物心ついた頃には
祖母の痴呆症が進行していて、
その介護をする祖父は
なかなか苦労をしていた。
家族で群馬に移り住んだのも
そういう事情があったりもした。

法事の後の親族での昼飯で、
「人間万事塞翁が馬」という言葉を
祖母が好きだったということを知った。
苦労人の祖母らしいセレクトだと思う。
「花の命は短くて苦しきことのみ多かりき」
なんて言葉も好きだったらしいし。
今じゃ、とてもじゃないけど流行らないよね。
でも、昭和はそういう時代だったんでしょう。

町元とか、何人かのスタッフには伝えたけど
「人間万事塞翁が馬」という言葉は、
iPS細胞の山中教授もこれをテーマに語ってた。
素晴らしい講演なので、時間があればぜひ。

その言葉について話しながら、
僕の叔父は「お前の人生みたいだな」と
笑いながら僕に言ってました。まぁ、たしかに。
でも、僕にかぎらず、みんなそうだと思うんだよね。
実際、その席で周りを見渡してみても思った。
いいことが悪いことにつながっていったり、
悪いことがいいことのはじまりだったり。

幸せと不幸せの比率は、
人によってあまり変わらないと前に書いたけれど、
だとすれば、どんなしんどいことであっても、
次への前フリなんだと引き受けてしまえばいいと思う。
そのような世界観を持てるかどうかって、
ありふれすぎているかもしれないけれど、
やっぱり、とても大事なことだと思うんだよね。
こんな古語が今も生き延びているのだって、
きっと、だからこそなのだと思う。

多くの人の魂の糧になってきたであろう言葉を、
たくさん持っていたいし、語っていきたい。

◎写真は、実家にあった祖父の書き遺し。
 ずいぶんと、僕に影響を与えてくれた人でした。
◎ある元塾生が『学欲』にこんな感想をくれた。
 読んでくれた人から感想をもらっているけれど、
 こういう人に届くといいなぁという
 ドンピシャで嬉しい感想だったので、
 ここに載せてしまおう。どうもありがとう。

「元塾生で現在早稲田志望の浪人の者です。
この時期になってもう間に合わないのではないかと、
不安でどうしようもなくなっていた自分にとって
結果に対する重圧で逃げたくなっていた自分にとって
ふっきれるきっかけとなりました。
現代文もネックになっていて勉強が疎かになりがちでしたが、
今日から毎日
やれる事は楽しんでやってみようと思いました。」

泣いても笑っても、あとわずか。
こんなに頑張る受験生活との別れを惜しみながら、
最後の一秒まで、味わい尽くそう。幸運を祈ります。